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一刀両断 実践者の視点から【第412回】

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指導者の力量

 相撲ファンでもあり、関取の知人も多い。
 心技体と言い礼に始まり礼に終わると言われるが、負けた後の身の処し方に心が現れる。
 負けた後にサガリを取るふりをして前傾になるだけで頭を下げてはいない力士がいる。醜い振る舞いであり幼稚にも感じられて後味が悪い。
 指摘したいのは指導者の力量である。仮に担任が生徒の前で挨拶が出来なかったら、どのように指導するかという視点である。また、何度指導しても態度を改めなかったらどうするのかという対応を図るのかという事である。
 近年、教員志願者が激減して資質に課題のある者も目立つようになって来ている。中には礼節などを軽視する者もいる。
 その中でパワハラとかセクハラとかを悪戯に権利として主張された時にどのように指導すべきかのレクチャーをしている教委はあるのだろうか。当たらぬ触らぬとすると、その行為や価値観は放任されて収拾がつかなくなる事は想定される。
 パワハラを理由に、教委からの訪問を受けた事がある。職員会議中に寝ている教師を叱ったのであった。こんな組織上当たり前のことを教委が間に受けて、校長に聞き取りにくるようなお暇なレベルでは話にならない。帰り際に「この案件で私のところに来た事は教育長は知ってますね」と、念を押した。
 さて、こうした無礼な行為を容認していては師匠の恥であり品格などは益々下がってしまうだろう。指導者なら弟子の礼節ぐらいしっかり指導してみろと言いたい。大相撲を愛する故に。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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