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一刀両断 実践者の視点から【第418回】

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論説・コラム

教員志願者確保と奨学金返済

 教員志願者を確保するため、奨学金返済免除を検討している中央教育審議会で、「大学院から」という意見が相次いだという。正直落胆した。
 現実への対応と明らかにかけ離れている。施策の失敗を改善したり責任を取って公職から離れるなどの事はせずに、論議を続けている。
 こうした会議体の委員となり、キャリアが付くと様々に活躍の場が広がり講演依頼が舞い込む。しかしその失策に対しての反省など聞いた事はない。
 今回の奨学金の免除は大英断かも知れないが、教員を目指すなら大学院や教職大学院などに限定する必要はない。何故なら大学院卒でも資質のない者は多く、教職大学院に行ってもプライドは高くなるが授業力が高まったと感じられる事はないからである。
 このように言い切ると決まって大学院関係者は怒りを露わにして襲いかかってくる。ある著名な学者は、指導主事は全員教職大学院へ行くべきと強調された。それだけの成果を出せていない事への反省は皆無で、現場のニーズにコミット出来ていない現実には正直ため息が出る。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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