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一刀両断 実践者の視点から【第449回】

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生き方を学べなかった容疑者

 「桐島聡」を名乗り出た男性が亡くなった。潜伏している犯罪者の数はどれだけいるのだろうか。それでも日本は安全な国として世界から認められている。
 この人物の名は「聡」である。親はそうした願いがあったのだろうが我が子が殺人犯の容疑者になるとは想像もしなかっただろう。
 最初から犯人になりたいものはいないので、様々な出会いや環境で犯人となっていく。それぞれに担任や部活の顧問もいただろう。こうした凶悪非道な事をする人物になるとは思っていなかっただろうが、片鱗はあったはずである。
 潜伏していた状況から保険証を持っていなかったとなるとおかしいと思わなかったのだろうか。また、病気の際にも多くの目に触れていてもその人物とは気がつかないのは、まさかと思っていたり、似てるけど違ったら困るからと控えたのかもしれない。
 1番の悔しさはこの人物の思想背景や謝罪が聞きだせないままになっている事である。
 人は出会いと教育によって生き方を学ぶ。最後は本名で死にたいとしたのは全て本人の責任だろうか。こうした無差別殺害が多くなってはいないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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