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教師3年目までに身につけたい!子どもが動く叱り方のルール

16面記事

書評

城ヶ﨑 滋雄 著
簡潔かつ具体的にコツを示す

 学校現場で、若手教員の占める割合が高くなって久しい。その若手教員が、真っ先につまずくのが、何といっても「叱り方」ではないだろうか。
 本書は、そのような若手教員のために、子どもの心に届く叱り方、子どもの言動が変わる叱り方のコツを簡潔に示している。学校生活で見受けられる指導を要する子どもへの叱り方が、具体的に分かりやすく書かれている。
 評者が感嘆したのは、「子どもが動く叱り方の基本ルール7」の一つである、子どもを叱る前に子どもに「『叱ります』宣言」をすること。こう宣言をするだけで、子どもには叱られるという心の準備ができ、教員の話に集中する。その子どもの姿によって、教員自身も感情ではなく理性で指導ができるという。
 「ちゃんと伝わる! 学校生活場面の叱り方」の中で「すぐ教師に反抗する子ども」への叱り方もその一つ。反抗する要因は、子どもがトラブルを起こすと、その行為だけを指導しているから。まずは「何があったの?」と教員の第一声を変えることにより、反抗心は沈静化するという。
 「叱り方」はベテラン教員でも具体的に説明することは難しい。それを、著者は見事に言語化してくれている。
 「教師3年目まで」といわず、多くの先生方に読んでもらいたい一冊である。
(1980円 学陽書房)
(小山 勉・東京未来大学特任教授)

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