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賢者に学ぶ、「心が折れない」生き方

15面記事

書評

真山 知幸 著
モネ、吉本興業 創業者ら25人取り上げ

 人生の壁にぶつかるのは、挑戦しているから。挑戦には、失敗や困難が付きものである。そのとき重要なことは、「心が折れない」こと。心が折れないで成功するまで挑戦をやめなかった人こそが、賢者と呼ばれる人たちである。
 著者は若い頃、心が折れそうになったときに賢者の伝記を読みあさり、大いに励まされたという。その経験から本書では、湯川秀樹やクロード・モネ等、25人の賢者を例に挙げ、心が折れないポイントを示している。
 第2章「ピンチをチャンスに変えた賢者たち」の一人、今では誰でも知っている吉本興業の創業者の吉本せい。実はお笑いが好きではなかった彼女だが、道楽者の夫のせいで生活は困窮。そんなときに借金をしながらも廃業した寄席の経営をすることになる。彼女は、小屋の空気を入れ換えず熱気があふれる状態にしたり、飲み物を売るためにせんべいやスルメなどを売ったりと、「客にウケるか」ではなく売り上げのために頭をフル回転させ、今、自分が「やれること」を徹底する、それが吉本せいの心が折れないポイントだという。
 若者には、将来に続く夢や希望を持ってほしい。だが、その道は平坦ではない。挫折するときもあるだろうが、諦めず粘り強く、何度でも立ち直れるしなやかなメンタルを育ててほしい。10代の若者、特に小・中学生にとって、この本は大いに参考になるだろう。
(1540円 誠文堂新光社)
(小山 勉・東京未来大学特任教授)

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