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一刀両断 実践者の視点から【第477回】

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特別支援学校の「よどみ」

 《特定の教諭にパワハラ行為 可茂特別支援学校の校長を減給処分 岐阜県教育委員会》(ぎふチャンDIGITAL)という見出しの記事によると、頭を下げての記者会見が行われた。
 この要因はいくつか思い当たる。
 一つは支援学校の管理職はほとんどが限られた支援学校の勤務の中でいわゆる内部昇格に近い。その為に狭い世界からの昇格となる。ある意味特異な環境でのことになる為に社会性が欠如しやすい様にも思える。
 敢えて他校種からの管理職を配置して意識改革を図ったことがある。それなりの成果は得られた気がする。
 また、支援学校への異動を希望する者と、敢えて支援学校なら勤まるかもしれないと打診する教師がいる。
 特に大人数での指導は不向きでトラブルを起こしやすい資質のある教師には、少人数で俸給も高いし休みも取りやすいという特徴を説明して移動させるケースがよくあった。
 実力が伴っていたかと聞かれると心許ないのが事実であったと思える。
 このようにかなり課題のある中で営まれているとするなら今回の様なケースは至る所で起きていると言える。それがなかなか表沙汰にならないところに教育界の澱みがあるのは確かである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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