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一刀両断 実践者の視点から【第517回】

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論説・コラム

指導と管理

 《「危機的状況」校長逮捕で臨時会議 飲酒による教員不祥事相次ぐ 熊本》(KAB熊本朝日放送)という見出しの記事にはかなり前の時代感を持った。
 危機的と言う言葉が使われたからなのかニュースとなったが他県での不祥事と比較したら驚くことではない。しかし、そう捉えて気を引き締めるのは必要である。防止への手立てが研修しかないのも事実で虚しさを感じてしまうのは私だけだろうか。
 話は変わるが以前は「視学」という役があり、指導面と管理面の一切の権限を有していたらしい。それが指導主事と管理主事に分かれて分担するようになった。
 私は当初管理主事として、後に指導主事として務める事になった。ここで大きく異なる感性や判断力の違いを目の当たりにする事になったのを鮮明に記憶している。
 校長面接でもその違いは歴然とした。経験により判断が大きく分かれるという事である。ある事情をどう判断するかを問うと、指導主事は受容し諭すが、管理主事は判例に基づいて明確に処分するのである。
 指導主事を重視する地域と管理主事を重視する地域とでは、不祥事の質や件数が異なったのである。その意味では、どちらも経験して管理職になれた事を今更ながら感謝している。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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