日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

学ぶことは、生きること 院内学級を通して学んだこころの教育

16面記事

書評

副島 賢和 著
感情を言葉にする大切さ訴え

 院内学級の教師として多くの子どもたちと交流してきた著者が、教師や親など子どもと関わる人たちに知ってほしいことを伝える、熱くて優しいメッセージ。院内学級の役割には、学習の遅れを生じさせないことだけでなく、治療に向かうエネルギーをためるという大きな目的もある。「何のための学びか」という問いは、全ての子どもたちに通じるはずだ。
 自分の感情を大切にしていい、つらい気持ちを出していいと子どもに伝え、できないこと、うまくいかないことがあっても「そんな自分もダメじゃない、見捨てられない」と思える安全・安心な場(教室や家庭)をつくること。子どもの感情を受け取ったり、子ども自身が気持ちを言葉にできるよう手助けをしたりするために、大人自身が感情が豊かで、感情を言語化できる力を持っていること。
 その願いの根底には、自分を駄目だと思っている子、エネルギーのない子たちに寄り添い、そうじゃないよ、と心で抱き締め励まし続けてきた著者の思いがあふれている。
 個別指導計画が形骸化する理由、不登校の始まりは学校に行けなくなった日からではない、などの指摘も説得力がある。
 「つらいことがあったら人はつらい顔をするものだと思っている教師は、つらいことがあったときニコッと笑う子には反応できません」。その通り。そういう感性を持ちたい。
(2420円 金子書房)
(浅田 和伸・長崎県立大学学長)

書評

連載