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生徒指導~小学校段階での考え方~【第9回】

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教科・指導

ゲーム依存(下)

 そもそも小学校で行える生徒指導とはどのようなものなのだろうか。そこには学級担任の価値観や力量が大きく左右する。これは中学校とは大きく異なる。ある意味、一人の教師が多くの子どもに影響を与えるシステムになっている。学級で何かあると授業よりも生徒指導、学級指導が中心になりそれだけで1日が終わることもある。
 かつて、学級崩壊から学年崩壊へ至った6年生の建て直しに教頭兼務で入った。校長は入ると言いながら一度も立ち入らなかった。こうはなるまいと心した。すなわち、教師への不信感といくつかのグループの対立があり、授業が成立していなかった。
 担任の顔は硬直し、子どもの目線は冷めていた。さらに誰も介入を恐れて寒々とした雰囲気が漂っていた。校長は何やら理由を付けて私の介入さえも渋った。自分の権威が脅かされると感じたのかもしれない。
 社会科の延長で地域の施設を調べる学びを活用して近くの特別養護老人ホームとの交流を試みた。人の死を身近に感じさせ、自戒させたかったのである。やがて自分たちの言動に気付き、嘘のように改善した。人も子どもも納得しないと動かないものである。
 さて、ゲーム依存の回避はある意味簡単である。やめさせることに力を注ぐのでなく、もっと楽しくて大切なものがあることを自ら実感できるようにするのである。豊かな家庭愛の経験がなく、情感の薄い親は、子どもの愛し方が分からないし、家庭愛の場が作れない難点があるのは確かである。一番は、「食卓では楽しい話題しか出さない」を徹底することである。教育に手遅れはない。

生徒指導~小学校段階での考え方~