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生徒指導~小学校段階での考え方~【第14回】

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教科・指導

自分以上の人を育てる(中)

 小学校の全校集会の場合、6歳から12歳が集う。それは教師に示す模範授業でもある。私の勤めていた学校は児童数が1000名を越えていた。しかし、眼前の一人を納得させられないで1000名に届くことはない。特に休み前に生徒指導担当が話す内容は重要になる。
 時間は命である。命に残る話になっているかを私は必ずチェックした。それも何度も納得のいく域まで練り直させた。そしてマイクを使わせなかった。その範は私が日頃から示しておいた。聞かせるのでなく、聞きたくなる話でないとならないからである。
 人を育てるのは、適当ではできないし、失礼であり、自分の慢心も許してしまう。ドキドキしながらも進言のできる人物を育てるには、誠実に命と命に向き合わねばできないからである。
 その意味では三度の左遷は多くを学べた。何故なら毀誉褒貶の人は去り、本物だけが残るからである。本物を育てるには、磨き上げるための砥石が本物であろうと努めなければならない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~