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生徒指導〜小学校段階での考え方〜【第16回】

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根拠なき過信の生徒指導

 高校や中学の生徒指導は小学校の指導よりもレベルが高いのか。部活指導のない中学にしたら規律は維持できるか。部活が楽しくて授業はつまらないと感じている中学生がほとんどではないだろうか。この特異な姿を文科省も政治も行政も安易に俯瞰してきたのではないだろうか。
 年間300校近く全校種を訪問指導して実感するのは、中学、高校では指導は入りにくいと言うことである。そのために懲戒や退学などをちらつかせる実態がある。中学の部活をなくし、高校で退学がなかったら規律は維持できるだろうか。授業や生徒指導などで勝負できますかと聞きたい。
 これを可能にしてあるのは、小学校段階での関わりであり生徒指導なのである。だからこそ、この充実を図ることがその後の成長さえも左右してしまう。根がしっかり張られなければたくましく育たないし、土に適度な養分と水がなければ、いかによい種も発芽もせず苗も枯れてしまう。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~