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生徒指導~小学校段階での考え方~【第17回】

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教え子から自殺者、犯罪者を出さない(上)

 校内研修で高校に呼ばれることが増えた。
 そもそも高校の校内に呼ばれることはとんと聞かない。なぜだろうか。教科王国になっていて、校長の指導力も徹底されない高校は多い。
 呼ばれる理由は、個々の教師や管理職にも容赦なく考えを聞くし、是々非々を示すからだろう。これは評価を気にしたらできないし、迫れない。この手法や構えは、小学校の高学年に、いじめを可視化する校長授業をしたときに、参観する保護者にも容赦なく意見を求めたからである。
 多くの痛ましい事件や事故が報道され、それが次の連鎖を産んでいるように、私には写る。よく三つ子の魂百までとか、関わったものとしてどの辺りまで責任があるのだろうか。親子は一生と法律ではなっているが、教師と子どもはどうだろうか。
 私は担任は一生だよと言ってきたし、今も変わらない。その教え子たちから様々な報告が今もある。不遇な子どもは気になって仕方がない。その親の会も作られ、継続している。すごいことをした記憶もない。ただ一生担任だよと腹を決めて言ってきただけなのである。今日も人が人を殺めるかもしれない。歯止めを掛けたいと願い、私は教師になり、非力さを痛感しながら教師をしている。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~