日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

生徒指導~小学校段階での考え方~【第23回】

NEWS

「会いたい人がいる」に尽きる自殺対策

 9月に児童・生徒の自殺が増える。楽しいことが待っているのなら自殺などはしない。教師も休み開けに児童と会えることを嬉しいと思える者ばかりではない。人は人に会うのが喜びにもなりストレスにもなる。自殺を防ぐために様々な工夫や手段があっても、結局は、会いたい人がいるということに尽きるのではないだろうか。
 会いたくない、やりたくない、惨めになりたくない、が重なったら足は前に出ない。無理やり押し出され、引き出されても心はさらに硬直する。不安は目を見れば一目瞭然である。本人のことをじっくり考えれば、自分のことや世間のことは二の次になる。それができないで追い込むのである。要は、会いたい、楽しい、を学校にあふれさせればいいのだ。
 難しくはない。これまでの既成概念をゼロにして、ゼロから子どもにとっても教師にとっても楽しい、やりがいのある場にすればいいのだ。東京都千代田区立麹町中の工藤校長はやっている。当たり前をやらないで、納得できることをする。それはそれぞれの立場でやれる。例えば、「秋を探そう」をテーマに外に出て、様々な思いを語って一日を終える。何より面白いが大切なのだ。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~