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生徒指導~小学校段階での考え方~【第42回】

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連続するDVや自殺

 中学生と比べ小学生は心身の発達状況からDVのターゲットになりやすいが、親の様子から発見は出来る。いじめによる自殺は、大人の気付きで確実に防げる段階でもある。しかし、この2つが同じ自治体で連続して起きている。
 これは偶然とは言えない体質があると指摘したい。すなわち上部の教育、児童理解になっているということである。
 未遂はその何百倍にもなるだろうから、恐ろしい。
 要因は大人の慢心、過信、疲れ、油断に尽きる気がする。
 第三者委員会が火消しのために作られる。以前、中学生が飛び降りて亡くなり、そこの教育長が第三者委員会を作ってと、発表したところ近隣の教育長から飛び火がくるので困ると苦言があった。呆れて苦笑したが本音なのだろう。
 本来ならば第三者委員会は、事が起きる前に予防のために開催されるべきであり、肩書きを並べて専門家と称する偽善を打破すべきではないだろうか。
 ひとりの子どもが命を掛けた訴えは、あまりに悲惨であり胸を締め付けられる。もちろん、死を教えない教育にも問題がある。まさに社会が生き残るために、いけにえにしている有り様に見えてしまう。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~