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生徒指導~小学校段階での考え方~【第50回】

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親を元気にさせられるか(上)

 人は、励まされると嬉しいものである。「褒めてやらねば親は動かじ」である。保護者会の参加者が多い学級は、教師が適度に上手に親を褒めている。笑いのあふれる保護者会を見事に仕掛ける教師がいる。逆に言い訳や注文ばかりする学級の保護者は減少する。その方が気楽と感じる教師もいるだろう。
 人は人からのストレスが一番強いと言われる。
 親としての心労やその不器用さを理解した上で親身になって励ますことが出来るかがポイントになる。もちろん、子どもが対象の教育ではあるが、親への心情理解や蓄積された信頼を得ることにより、教育効果は倍になるものである。すなわち親への支援も意識して学級経営を行うと面白い展開が期待できる。40年を経ても親の同窓会が今も続いている。
 講義を持っている亜細亜大学では、子どもの学習を支援する「アジアの風塾」(無料通年)を続けている。そこに送り迎えする親に、何かして差し上げたいと「親塾」を始めた。大盛況になり後期も開催する予定にしている。モットーは、元気にして帰すと言うとこである。過信や思い込みや不安を経験や実践に照らし合わせて、しっかり聞く耳を立てて、是々非々ではあるものの、色眼鏡をはずさせ、肩の荷を降ろさせ、「大丈夫だよ。いいんだよ」と、認め、励ますことを強く意識している。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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