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生徒指導~小学校段階での考え方~【第64回】

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隠蔽体質ができやすいわけ

 生徒指導の素地をいかに耕し豊かにするか。学校の分掌で希望は取るが、望んでこの職になる者は少ない。それは大変なイメージだし、その資質や能力の有り無しに関わらず、依頼されるケースが多いのではないだろうか。
 では望ましい資質をどこで、どのように身に付ければよいのかを誰も教えてはくれない。ましてや大学で教えてもらえるような実践的な授業が存在しない。
 手本は前任のやったようにやるしかないことになる。これではスキルは高まらない。ポイントは、「丁寧に誠実にやれることを臆せずにやる」である。
 意識するのは情報の収集と蓄積である。次に整理分析、判断となる。特に重要なのが整理分析である。しかし、初期段階は情報の収集がいかにできるかに掛かっている。特に学校外の客観的な情報が得られるかという渉外力、外交力が求められる。
 さらに課題は、概して教師は「良い子系」が多いため、批判や反論を苦手としている。すなわち多少のことがあっても「仲良く」を先とする傾向がある。よって隠蔽体質が出来やすい。
 そのため、正邪の価値観が狂ってしまう。上司であろうと、威圧があろうと、多勢に無勢であろうと、信念で立ち向かうのが教育者である。
 臆病では務まらないと私は説いてきた。内部告発を上手に効果的にする方法を学んでいたら、見せしめのような三度までの左遷はなかったかもしれない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~