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生徒指導~小学校段階での考え方~【第66回】

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信頼を失った後に何をするか

 信頼を失った学校の再建は難題ではある。では、どこから、誰が、どのようにやるのか。批判とは別にして、ここに力点を変えないと健全なものさえも疲弊してしまう。是々非々にしてスピードが求められる。幸いに困難校ばかりを経験した身とすれば、以下のようなポイントで再建への取り組みを提案したい。

・職員の意識を抜本的に改革
 それはフォロワーシップの育成と職員相互の信頼関係を今こそ再構築し、チーム学校として機能するよう、自己決定ができ、自己存在を感じ、是々非々で判断できる人間関係の徹底構築を図る。
 具体的には、職員へのあいさつ訓練、職員会や実践的資質向上のための研修を数カ月間、短時間で外部講師を招き行う。合わせて職員個々の面談を管理職、外部講師と三者で行い、速やかに課題と成果を共有する。

・授業に真剣さと楽しさを
 授業の達人を計画的に複数回投入し、示範授業と授業改善指導をする。形式的な指導にとどまる指導主事等を呼ぶことは控える。指示伝達のレベルの者もいるので、授業をやって見せられる者のみを招聘する。

・校長のトイレ掃除示範
 保護者面談は、管理職が一切引き受け、担任には児童への授業に専念させる。また、児童と共に汗をかかせ徹底して遊ばせる。あいさつや給食、清掃指導は教師が指示するのではなく、やって見せる。特にトイレ清掃は、教師が黙動で示範して見せる。先ずは校長がすべてトイレを黙してやって見せる。教師が真剣に汗して取り組む姿勢を見せることにある。

・心臓部となる打ち合わせ
 対外対応は副校長や教頭が行うが、1日1度、校長が事務職や養護教諭そして各年代層から教師を加え、課題と成果を短時間で共有する。この会が「心臓部」となる。よって肩書きによらない実力者実践者を交えて指導を受け、範を示してもらう。

 こうした取り組みの見直しは、概ね月ごとに全職員へ開示し、課題と成果を論議し、記録し、職員室に掲示する。合わせてポイントを学校だよりやホームページで開示する。
 改善へのバロメーターは、職員間のあいさつと言動にある。ここをチェックし、範を示し指摘できる実践指導の出来る講師を招き、人間味とユーモアも取り入れながら、個々の意識改革を図り、組織の活性化すなわち個々が主体的にチーム学校を支え推進する自覚と自信を持たせることが必要となる。
 これは決して難しいことではなく、即実行により改善されるものである。
 自らも3校の校長として、また、主席指導主事として経営指導延べ500校、そしてこの6年間全県の延べ2千名に及ぶ新任校長指導を担当させて頂いた経験から提言した次第である。他人事にせずにいわゆる「同情」でなく「同苦」する思いで関わらないとチームとは言えない。
 最後に、頑張れ!東須磨小学校の職員、保護者、子ども達。確かに失ったものは大きいからこそ、得るものも大きいはずである。この信頼を得るための並々ならぬ「道筋」は、やがて日本全国の学校における「信頼復活のモデル」となるだろう事を心から期待しエールを贈りたい。責めず、比べず、諦めず!
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~