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生徒指導~小学校段階での考え方~【第79回】

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進路指導との関係は

 末は博士か大臣かと、「博士」や「大臣」が憧れの的にされた時代があった。
 それにしても教育界と競うように政界での不適切な人物の登用が後を絶たない。それを指摘する方も、される方も同類に見えてしまう。これで青年に政治への関心や意欲を持たせるのはますます困難になる。
 無関心を増幅させ、あきれた若者のため息が聞こえてくる。日韓の法相が辞任となったが、これを青年たちに、子どもたちに、どう説明すればよいのだろうか。

 特に不適切な言葉が政治の停滞や混乱を招いている。確かに心の現れだからごまかしようがない。
 揚げ足を取るように責めることを政治と勘違いしている輩は多い。批判のための批判には私利があり、悪意が潜む。こうした輩を行政が「先生」と呼ぶことも適切ではない。
 中には真摯に市民の声を聴き、東奔西走する方も多くいる。この見極めをできるよう日々様々な授業で取り上げ、学生に考えさせている。それが実学の主権者教育だからである。

 生徒指導は、進路指導へとつながる。この基盤は目指すべき未来や人物がいないと意欲は出てこない。
 教師が頭を下げる校長は偉い、さらに校長が頭を下げる市長は偉い、市長が頭を下げる議員を見た子どもが、50年前に議員になりたいと決意した。
 やがて夢を叶えた。財も名誉も手に入れたが、多くの者から恨まれた。
 「○○にならなければ、よかったのに」ということがよくある。そうは言われたくはないし、そう言いたくはないものだ。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~