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生徒指導~小学校段階での考え方~【第96回】

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「親育」の必要性

 「親育」は、子どもが小学校中学年までがベストと思える。普通は「親育」などというものはないため、夫婦間、祖父母、きょうだい間、保護者間、そして教師や学校、各種相談機関から得る情報などからイメージをしながら初めての子育てに挑むことになる。「男は仕事、女は家事と育児」という時代ではないが、家事をしないことや家事をしていることを自慢げに話す幼稚な者が今も存在する。

 ややもすると、大人になりきれていないのに親になってしまい、飽和状態の中で育児放棄ギリギリの親も少なくない。すなわち、できるなら逃げたい気持ちにもなるのである。育児を終えて仕事に復帰し、追いかけられながら必死に生きる時期は、小学校中学年までの期間と思える。第2子以降が生まれるとさらに余裕はなくなる。私はこの時点でのサポートが一番必要と強く感じる。

 幼児から少年、青年になる基礎の時期と、初めて親になる時期が重なるこの小学校中学年までにいかに安定した支援を受けられるかが、その後の問題を未然に予防するワクチンとなる。
 「親育」は、管理職やベテラン教諭、地域担当の保健師、児童委員民生委員がもっと積極的に行えるはずである。生徒指導はこうした外堀を埋めなければ安心安定した継続的な効果は得られない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~