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生徒指導~小学校段階での考え方~【第97回】

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「人」と「環境」

 生徒指導は、第一印象で8割は分かるものである。
 人の振る舞いを見れば、どのような指導が普段からされているかが見てとれる。すなわち校舎に入った瞬間に文化の匂いが漂うのである。
 生徒指導の効果は、ある程度のマナーやルール、そして相互の信頼関係が成立していない組織では期待できない。形式だけで血が通わないのである。

 具体的には、事務室の受付に迎え入れる姿勢がなく馴れ合いが見てとれる。
 さらに、スリッパが汚れている、トイレが汚いままで下駄箱の靴のかかとが揃わない、玄関に自校をアピールするものがない、応接や校長室が美しくなく雑然としている、すれ違う職員に余裕や笑顔や覇気がない、職員の服装や頭髪がだらしないといった具合である。
 すなわち環境は人が作り、人に現れる。人が最大の教育環境であることに間違いはない。

 残念ながらバランスの悪い管理職に会うことがたまにある。話していてもどこか上の空で、浮いていることがよく分かる。
 この管理職には本音の相談は出来ない。したくない。しなくてもいいと感じさせることになる。そして不祥事が起きるという構図である。文書や会議や研修を課しても、形式であるかぎり不祥事がなくならないのは当たり前なのである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~