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生徒指導~小学校段階での考え方~【第106回】

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学校だけでとどめずに

 塾は、勉強のみのために通う場所である。生徒指導までは保護者、本人ともに期待してないし、されたくはないという考えが一般的だろう。お客様の要望に答えて報酬を得ている理由から、生徒指導は仕事の範疇を越えているとする言い分もあるだろう。
 医師の場合はどうか。患者が申し出た疾患以外をみつけたら、それを指摘しないだろうか。
 教師には医師と似た面がある。苦しみを取り去り、健康や意欲を蘇生させる役がある。

 確かに塾で生徒指導をすれば嫌がる児童・生徒や保護者が、他の塾へ流れて行くだろう。だから生徒指導はしなければならない場面なのに、運営会社の方針もあって、しないのかもしれない。
 日本は古くから寺子屋があった。この生徒指導は勉強以前のこととして、かなり重点を置かれ厳しく指導をされて来た経緯がある。

 いかなる場面であれ、大人のすべてがあいさつの指導や、基本的な礼儀をそこかしこですべきではないだろうか。習い事は、本来、しつけに厳しかったはずである。世界から人が集まるオリンピックに向けて再度、至る所で大人が意識し、行動し、言葉に出してやろうではないか。できれば打てば響く身近な小学生から始めよう。まずは褒めることである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~