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生徒指導~小学校段階での考え方~【第133回】

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校長を処分すればよいのか

 保身は臆病につながる。いじめが問題になると、校長の対応が問題視される。しかし、実際は、関係者すべてに問題はある。
 責任者を処罰しても体質の改善はされにくいのが学校である。処分は、ある意味見せしめのようなものであり、そのような立場にならなければよいわけである。よって、管理職不足が常態化している都市がある。

 退職金もさほど変わらない為に、数万円の管理職手当てで、辛い仕事をせねばならないのだから、教諭でいる方が賢い判断かもしれない。
 注目していた東京都府中市でのいじめの案件に、裁判所からの判決は「校長を中心にいじめ問題を封印して闇に葬った」と指摘。「PTSDの回復を著しく遅らせ、今日まで症状を長期化させる原因になった」として、校長らが児童への安全配慮義務を怠ったと判断した。

 私は、この学校の他の職員やPTA役員等も同様に処分されてよいと思えてならない。見過ごしたのは、加勢したことになるからだ。この是々非々の判断から、自分を計算に入れないで主張の出来る人を生徒指導担当にすべきである。
 私利の強い権力者からは嫌われるだろう。私もそうだった。それが様々な本性の証拠になる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~