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生徒指導~小学校段階での考え方~【第148回】

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教科・指導

人間性を基盤に「聴く」

 忙しい人や頭脳明晰な「やり手」は、人の話を真摯に聴かない傾向がある。先が読めるのだろうが、話している側からすると、鼻であしらわれているように感じられるものである。
 それは聞く側も本当は余裕がないのかもしれないが、実に不誠実に感じられ、話したいとも思わなくなった経験はないだろうか。生徒指導はこれをやったらおしまいになる。

 いかに役職が高くとも忙しかろうとも丁寧に人の話を聴くのは、その人が持っている元々の人間性が基盤にある。すなわち、自分の都合を優先する価値観を持つ人は、興味がなくなると目が泳ぎ始め、心ここにあらずの体をなす。概して、こうした人間は都合により手のひらを返すから気を付けねばならない。

 生徒指導は聴くことに始まる。
 話したくなる、理解してほしくなる、というオーラを出さねばならない。追い詰められた子どもほど心の底を鋭く見抜くものである。
 私もそうした事務的な目を何度も見てきたし、されてきた。今も忘れない。自分がされて嫌だった事は人には絶対にしないと決めた。それはそのような人に会えたお陰かもしれない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~