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生徒指導~小学校段階での考え方~【第149回】

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教科・指導

無限に広がる教師の人脈

 人間関係が仕事をする。多くの知人を持っていることは、仕事をする上で重要な要素となる。ある意味、教師ほど多くの人脈を持てる可能性のある仕事はないだろう。保護者や地域の方や商店、駅、病院とそのテリトリーは無限と言っても過言ではない。この認識を持っているか、いないかで、教育活動は大きく変わる。

 私を支えた教頭に卓越したA先生がいた。業者への依頼にもそつがなく、一つ頼むも二つ頼むも移動や労力は大差ないと、一つ頼んで案件を幾つも処理していた。気遣いも細やかで茶菓子にも心が入っていた。職人が気持ちよく作業出来るようにしていたのである。これは他の面でも発揮され生徒指導の案件も次々にさらっと片付けた。

 学ばせて頂いた事は多くあるが、ともかく隠し立てなく、明朗で、悪い報告から先にする。間違いや失敗も即認め対処する。即行即止の人であった。
 私はその卓越した力量と人望を知り、校長職へと推挙したが既に昇任できる年齢を越えていた。本当に悔しかった。教育界の大損失であることを担当に訴えた。
 私が仕えたいと思った人物が校長になっていない不条理が今も胸につかえている。教師に定年制は馴染まない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~