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生徒指導~小学校段階での考え方~【第154回】

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校外学習は「手段」であって「目的」ではない

 校外学習は、指導の成果を確認できる場である。すなわち、極力指示をしないで行動できるかがポイントになる。また、全員がリーダーである意識を持たせる事が必要になる。場により、時により、リーダーが何時でも誰にでも変われるという事である。自己指導能力とはその事である。この力を日頃の学校生活、とりわけ授業のなかで意図的に身に付けさせる事である。

 だからと言って、不適切な言動があった場合は容赦してはならない。極端な事を言えば、予定を変更して帰路につかせてよい。目的の為に手段が不適切なら変更するくらいの信念があるべきである。親にも事前に校外学習は手段であることを説明し、成り行きで実施するものではないし、添乗員にすべてを任せるなら教師の日当はいらない。

 教えるべき事は教え、気づかせ考えさせる事はじっくりと時間をとる。この規律が出来ていれば校内でも校外でも、児童は自ずと行動する。これが出来ないのは教師力の問題であって、児童の問題ではない。こうした素地を小学生で身に付けた者は、その後の成長においても期待を裏切ることがない。それは教え子数千名の今を見ると歴然である。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~