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生徒指導~小学校段階での考え方~【第172回】

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道徳と倫理の融合

 特別の教科「道徳」は、自己の生き方を考え、主体的な判断の下に行動し、自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を養うことを目標としている。
 一方、倫理法人会は、実行によって直ちに正しさが証明できる純粋倫理を基底に、経営者の自己革新をはかり、心の経営をめざす人々のネットワークを拡げ、共尊共生の精神に則った健全な繁栄を実現し、地域社会の発展と美しい世界づくりに貢献することを目的としている。

 共通点はあまりに多い。倫理法人会の創設者は元中野中学校長丸山敏雄先生である。以前、道徳は内実性を大切にして、即実行を求めるものではなかった。よって、国語との判別が難しい部分があった。近年、それにやっと気付き、考え、議論するの域まで来たが、未だに「実行」は強調されてはいない。
 行動力とは「目的のために積極的に行動する力」で、実行力とは「計画などを実行に移す力。実際にそのことを行える能力」を指す。ここでの明らかな違いは、実際にそのことを行える能力という点である。

 その意味では、小学校高学年からは「実行」を前面に出して、より積極的な社会参画もさせる。すなわち、道徳と倫理を融合し発達段階に則して到達目標を行動から実行へと昇華させるべきではないだろうか。
 当初、倫理法人会を胡散臭く思っていたが、宗教や政治に偏らない中立の経営者の自己革新を図る大変有益なものであった。朝起きの挨拶実習を始め、生徒指導や生活指導でも即取り入れたいものが多くある。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~