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生徒指導~小学校段階での考え方~【第182回】

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効率化を学ぶ大切さ

 給食の配膳の遅れに苦慮する新採用教員が、その原因が分からずに苛立ち困惑していた。担任が困惑すれば子どもはもっと困惑する。急がせる事で、こぼしたり、汚したりする事になる。
 暫く様子を俯瞰していると、作業は同じでも導線で停滞する事が見え始めた。担任を私と同じ位置に座らせ、自分で原因探しをさせてみた。

 暫くして「分かりました。導線を変えてみます」と、結果、遅い配膳が見事に改善された。
 それまで、子どもにプレッシャーをかけ、「早く早く」と急かせるだけの指導をしていた。終いには感情的になって子どもとの関係もギクシャクし、楽しいはずの給食が何を食べたのかも覚えていない状況になっていた。こうした事はよくある。

 当番活動や効率的な作業の仕方や仕切り方を、新採用の教員は何処で学ぶのだろうか。現状は、大学での教育実習や課外活動等でしかないのだろう。
 本学の隣に畑があった。草がうっそうと生えている。これを使わない手はない。授業の中に効果的な草取りを考え行動させてみた。根の深さに驚きミミズなどにも触れながら、生徒進路指導論の授業を行った。何事も効率的にやる知恵を体感的に気づかせる事が大切なのである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~