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生徒指導~小学校段階での考え方~【第185回】

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仕事柄の「落とし穴」

 縁あって著名な経営者や政治家と懇談したり、お話を拝聴する機会が増えている。しかしだ。どれも断片の話に聴こえてしまう。確かに素晴らしい内容には間違いはないが、どこか作られた偏ったサクセスストーリーに感じられてしまうのである。この人の子どもや家族であったら幸せだろうかと、聴きながら考えてしまう。

 人には親がいて家族がいる。それは血が繋がっているかいないかの問題ではない。
 著名な経営者や政治家も、家に帰ればひとりの父であり母である。その素の姿が見えるように感じられる。私は小学校の教師であったから子どもの視点で見る癖がついている。
 外でどんなに立派でも偉くても子どもの親にはかわりはない。不登校になりやすい要因に、子を親以上にしようと、親が負荷をかけるということがある。

 親の見栄がそうさせるのだろう。外で立派な人ほど子育てで苦しんでしまう傾向がある。
 生徒指導の担当になると、仕事柄どうしても是々非々の線引きがハッキリするためか、この落とし穴にはまりやすいから気を付けたい。我が子は、教え子と同じようにはいかない。ある意味、他人の子と捉えて関わる方が相互によい気がする。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~