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生徒指導~小学校段階での考え方~【第186回】

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「褒め、叱り、励ます」を企業にも

 業種を越えて「本当に優秀な人の育て方」に関する講演の依頼が止まらない。主に、16年間無事故で継続している、課題を持つ子どもと教師を目指す学生による富士山体験合宿の取り組みの話になる。
 述べ600名を頂上へと導く段取りと仕掛けと心構えについて動画を添えて話す。多くの方が涙して、元気をもらったと感想が寄せられる。これと企業経営者研修がどうリンクするのか。社員研修にも頻繁に呼ばれる。

 教師の話を聴きたいという以前では有り得なかった企業経営者研修が増えている。
 ここで求められるのは、人の親、人の子としての生き様の話となる。
 「産んでくれて有り難う。産まれてくれて有り難う。母が亡くなる10日前の最後の会話です。父ありて、母ありてこその、今の命ぞ」とFacebookに載せたところ、共感する人が数日で100人を越えた。企業も人に尽きるのである。

 早期退社の若者が増え、経営者としてどのように関わればよいのか正直分からないと言うのが本音らしい。また、学歴や経験もあてにならない。これから伸びる人材をどう見つけ、どう育てればよいのか。明らかに生徒指導で行われる「褒め方、叱り方、励まし方」という話になる。
 実体験や経験そして知恵へと至る赤裸々な生徒指導の営みの中に、企業経営者達は、自分のあり方、社員への思い、家族の事など、多くの気付きと、発見と、元気をもらえたと言われる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~