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生徒指導~小学校段階での考え方~【第190回】

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信頼を強固にする機会に

 長引く在宅で、大人も子どももストレスとの闘いになって来ている。ストレスをどうコントロールするかによってその後の人生さえも変えることになる。
 何をしたらいいのかと悩む人も多いと思われる。特に教師は行動の人であるから、引きこもるのは辛いかも知れない。そう考えると、引きこもりを何年も続けている子どもや青年や大人の心理を理解するチャンスかもしれない。

 不登校になるタイミングは、4月や9月が多い。その意味では不登校の疑似体験とも受け止めると、より深く体感的に我が事として感じられる。
 コロナ問題が数年も続いたらどうなるだろうか。これまで登校していた児童生徒が来られなくなって、来られなかった児童生徒が来はじめる事が起きる事も想定される。
 教育はひとりとひとりの信頼に繋がる。その信頼を取り戻す、さらに強固にする。それは形式や偽善ではない。相手を大切にしたいという思いの行動にある。

 例えば、朝は家庭訪問の挨拶だけ数件をして、学校へ出勤し情報交換をして、午後からはその学習対策やポスティングする課題等の製作にあてるのもよいのではないだろうか。
 仕事は与えられものではなく、自ら見つけて工夫して繊細にして大胆にやることである。大切にされているかどうかかに関しては、大人よりも子どもの方が敏感に受け止めるものである。一生の宝を作れる時かもしれない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~