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生徒指導~小学校段階での考え方~【第193回】

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自己鍛錬から科学へ

 「教育を科学に出来ないか」と、恩師から言われたことがある。
 教育は職人芸と思っていたし、そう思われている。科学とは、見えないものの中にある法則性を見いだし、見えているもののなかに見えない法則性を見いだす事を指す。それを「生徒指導」で出来ないか。確かな実証と、膨大なデータの蓄積が必要となる。

 具体的には、自己の「人間力の開拓」と「倫理的な普遍性の発見」と「凡事の励行に尽きる」と思える。既存の法則化運動の範疇を越えて、個々の内面に食い込むことになる為、全員に跳び箱を飛ばせるような訳にはいかない。児童の内面への指導が、確かな結果とならねばならない。児童によるのではなく、教師自身の鍛練に尽きる。

 似たような取り組みをしている企業経営者の集まりに倫理法人会がある。宗教や政治に関与せず、経営者自身の人間的成長を目的にしている。
 学校教育も働き方改革の中、最高の効果を生み出す倫理経営が求められる。研修で語られるのは経営の成功談ではなく、壮絶な失敗や病気の体験談が主になる。そこに確かな倫理経営を継続させる法則性が見えてくる。それは科学の域に近い。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~