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生徒指導~小学校段階での考え方~【第213回】

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欲の亡者を育てぬように

 ある意味、すべての課題解決は、教育にたどり着く。中でもポイントは幼児期の教育であろう。
 それにしても「グローバル教育」は何故か分かりにくい。内から開く国際化のみではなく、宇宙から地球を見る視点で考える事である。
 1992年にブラジル・リオデジャネイロで地球サミットが開かれた。当時、12歳だったセヴァン・カリス・スズキの伝説のスピーチは、各国の代表の脳裏に鮮明に焼き付いているはずである。

 しかし、その訴えも虚しく、その後の世界も変わることなく、負の連鎖を続けている。資源を使っては、ごみにして廃棄し埋める。または放棄する事を日々繰り返している。我が家のゴミは外に出せてもそのゴミは何処かへ運ばれ地球のゴミとなる。一度壊された自然は戻らない。鹿や熊による被害なども日本狼を絶滅させ自然循環を壊した結果と指摘される。すべて人間の都合である。

 自分だけが良ければ良く、人の不幸は見て見ぬふりをする、浅ましく醜い親に育てられる子は、さらに我欲をむさぼる親となり連鎖する。
 医師になりたいのは何のためか?議員になりたいのは何のためか?社長になりたいのは何のためか?地位や給与を得て少しでも楽な暮らしをしたいという欲の亡者を育ててはならない。
 生徒指導の目的は自己指導能力の育成である。それは幼児期からの徹底した倫理指導により導かれると私は常々思っている 。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~