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生徒指導~小学校段階での考え方~【第215回】

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当事者の意見を聞いて

 授業の効率化をICTで図ることは、余裕を生むことになる。教材づくりに使う時間は必要だが、一度つくれば劣化もしないし、何度でも使えて、改良も出来る。なのに活用しないのは何故か。やらないからである。そのための訓練を大学で演習していない。こうした教材づくりとその活用を学ぶ講座を耳にしない。

 以前にソフトを使って足し算の理解を促し、興味をそそる為に簡単なアニメーションを作ったところ、あっという間に先生方の人気になり、すべてのクラスで使われた。基本は、操作が簡単、面白い、分かりやすいの三点である。ただし思考やアイデアに時間を掛ける必要がある。作成は校長室で行った。出入りする児童に意見を聞きながら改善を加えた。

 こうした教材づくりを児童とやるのは、実に面白いものである。生徒指導も同じで、「こういう問題があるから、こんな話をしようと思うけど」と児童数人によく相談した事があった。
 その反応や意見を取り入れて話を再構成して全校朝会に臨むと、かなりの手応えがあった。講話の最中、相談に乗ってくれた児童の眼差しが熱く嬉しかった。身近な助言者、すなわち聴き手となる当事者に意見を聴く事はあまりないのではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

生徒指導~小学校段階での考え方~