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コロナ時代に考えたい学校問題【第8回】

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子は親を育てる名優

 定年を迎えた学校の保護者研修会に呼ばれて講演させて頂いた。100名を越える保護者が集まられていた。2時間の中に多くのメッセージを埋め込んでみたが、届いたか不安もある。勤務した学校へ呼ばれることはこの上なく嬉しいものであり、多くの出来事がよみがえってくる。

 「笑顔にまさる子育てなし!」というタイトルで、内容としては、

 (1) 子供のSOSを見逃さないために、日頃からどのような点を気にして見てあげたらよいか
 (2) 思春期・反抗期の親子の距離感や関わり方、男女それぞれの対応の仕方について
 (3) 子育てが上手くいかないと感じる時、どうしたらよいか

 について具体的な例をあげながら話してみた。繕わずに素直に話すと、共鳴して涙と笑いが会場に溢れる。

 私は自分の子育ては失敗している。だから同じことはして欲しくないのだ。我が子を殺めた事務次官経験者の思いを理解できる時もあった。幸いにも私は自己開示する機会が多くあるため、客観視して考える事ができた。子は親の鏡、親を鍛える名優と妻は微笑んで答える。私も分かっているが笑顔がどことなくぎこちない。修行不足なり。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題