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東京・青ヶ島の学校から~日本一人口の少ない村の学校での取り組み~【第21回】

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国語の授業で準備重ねて「ビブリオバトル」

 「1月の2日、3日にテレビでよく見るものは、何でしょうか」。
 観客への質問から、お薦めの本の紹介が始まりました。これは、7月15日(水)に青ヶ島中学校で開催された「ビブリオバトル」の一場面です。4人の中学生、それぞれのお薦めの本の魅力を活き活きと訴えます。観客を話題に引き込むために、始まりの部分に工夫を凝らします。その後、その本の内容について、クイズを織り交ぜたり、魅力を感じる場面の一文を朗読したり、自分の人生経験を織り交ぜながら解説したり、観客がその本を手に取りたくなるように、5分の間に様々な手段を駆使して魅力を伝えます。
 青ヶ島中学校では、毎年1学期と3学期の2回「ビブリオバトル」を開催します。「ビブリオバトル」とは、ゲーム感覚を取り入れた新しいスタイルの「書評合戦」です。バトラー(発表者)たちがお薦めの本について、1人5分の持ち時間で書評した後、観客が一番読みたくなった本に対する「チャンプ本」と、1番魅力的に語ることができた生徒に対する「ベストスピーチ賞」を決定します。
 生徒は、1週間くらい前から、国語の時間にビブリオバトルの準備を行います。まず、お薦めの本を選び、どのように話を進めれば効果的に相手に伝えられるか構成を考えます。次に、分かりやすい言葉遣いや話し方などにも知恵を絞っていきます。
 「ビブリオバトル」に取り組むことの教育効果について、国語科教員の金子太翼教諭は次のように語ります。
 「観客に伝わりやすく話そうと工夫することで、表現力の向上が見込まれます。そのためには、観客の立場で文章を構成することが必要です。その過程で、論理的思考力も向上します。さらに、観客の前で堂々と発表する経験を通して、度胸もついてくるようです。生徒にこのような力がついてくるのはもちろん、何よりも本を好きになってくれることが一番嬉しいですね。読書は人生を豊かにしてくれますから」
 年間2回のビブリオバトルを経験することで、生徒の表現力が各段に向上していくことは、観客として毎回参加していただいている村民の方の感想からも実感できます。内地の学校にも負けない、青ヶ島中学校の誇るべき教育実践の一つであると感じるとともに、生徒には本校で培った能力に対し自信を持ってもらいたいと思います。
(木下和紀・青ヶ島小中学校 校長)

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