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コロナ時代に考えたい学校問題【第151回】

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不祥事の管理責任を問う前に

 昨日の続きである。教員が不祥事を起こした学校の校長が、「教諭と複数の女子生徒の距離が近いと把握し、教諭に指導していたが、もっとしっかり指導すべきだった」として戒告処分を受けたと報じられている。
 またか、と読んでしまった。では、個人情報の壁があるなかで、どこまでどのように指導をすればよいのかを、処分権者は明確に示すべきだろう。こうした見えない、見えにくいところまでも校長が把握する責任があるとなると、かなりの介入が必要になる。
 勇み足で見込み違いとなれば、パワハラとか名誉毀損とかになりかねない。その後の職場での仕事にも影響を及ぼすことになるのだから、極めて慎重になるものである。
 仮に本人が全面否定をしたら、そのあとはどのように問えばよいのだろうか。ここを示し、サポートするのが教委ではないのか。それを示さず、示せずして、注意喚起の文書や研修を開いて、事が起きたら校長を処分するやり方はあまりにも理不尽ではないだろうか。
 不可抗力と考えられる場合などは、校長、すなわち現場責任者ばかりを処分する手法は見直すべきではないだろうか。「他に求める前に自らを養え」と私は恩師から学んだ。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

コロナ時代に考えたい学校問題