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カリキュラム・マネジメントに挑む

13面記事

書評

教科を横断するキャリア教育、教科と往還する特別活動を柱にPDCAを!
長田 徹 監修
データ生かし個に応じた実践

 新学習指導要領が目指す「主体的・対話的で深い学び」への関心は高いが、もう一つの重要なキーワード「カリキュラム・マネジメント」はどの程度浸透しただろうか。
 監修者は中央教育審議会が答申で示したカリキュラム・マネジメントの重要性に触れ「教科横断」「編成、実施、評価、改善(PDCA)」「開かれた教育課程」などの視点に整理されていることや、PDCA確立の際に「子供たちの姿や地域の現状等に関する調査や各種データに基づき」取り組む重要性を指摘する。
 その上で、本書ではキャリア教育での「基礎的・汎用的能力」を構成する人間関係形成・社会形成能力、自己理解・自己管理能力、課題対応能力、キャリアプランニング能力を細分化し、身に付けた姿から教科の実践へと結び付ける佐賀市立小中一貫校芙蓉校や、評価からスタートするCAPDサイクルを回して実践する岩手県八幡平市立寺田小学校、防災教育を核に教科も学ぶ高知県須崎市立南小中学校、各種調査での科学的根拠(エビデンス)を生かす佐賀市立川副中学校の実践に紙幅を割く。特別寄稿により横浜市立中川西中学校などの取り組みも知ることができる。
 いずれの学校も「Q―U」「hyper―QU」「知能テスト」「標準学力検査」などを活用、エビデンスを基にした改善に努めている点は共通する。データを蓄積し、一人一人に合ったアドバイス、指導につなげている。
(2376円 図書文化社)
(吹)

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