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学級会で子どもを育てる

18面記事

書評

改訂版 やき先生の特別活動講座
宮川 八岐 著
元視学官が感動した実践を紹介

 著者は文部省・文科省で教科調査官、視学官を務めた宮川八岐氏。教師になって以来、「特別活動、特に学級会の実践者として生き続けてきた証をまとめたい」という思いを抱き続けてきた。これまで教育誌などの論文や著書を出版。しかし、学級会に焦点を当てて所見を述べ、これぞと思う実践事例を挙げて一冊にまとめたものは、本書が初めてだという。扱っている内容は、自らの実践を含めて著者が文部省・文科省時代と、それ以降に出会った子どもたちの感動的な学級会の取り組みが中心となっている。
 本書は全4章。第一章では、終戦直後から現行学習指導要領までの戦後教育における学級会の歴史を解説。指導の在り方で強調すべき事項などについては、第二章で詳しく紹介している。例えば、「子どもを育てる学級会」の項目では、学級会の役割と効果的実践を扱っている。キーワードになるのは、子どもが自発的、自治的に学級や学校の生活の充実と向上に関する諸問題を解決する上での「話合い」。その方法を学ぶことができる国語科の役割を押さえた上で、集団討議としての学級会の「話合い」の充実などに触れている。
 「実践事例12に学ぶ」というタイトルの第三章では、長期にわたって特別活動(学級活動)研究を継続している千葉県八千代市立大和田小学校の実践例などを紹介。第四章には、月刊「道徳と特別活動」に掲載された著者の連載なども収録されている。
(1851円 文溪堂)
(斉)

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