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通信制高校巡り報告「添削・面接指導の一体化」に課題

2面記事

文部科学省

文科省有識者会議

 通信制高校の教育方法や学習支援体制について議論している文科省の有識者会議は11月29日、第3回の会合をオンラインで開いた。会議の委員で文科省「広域通信制高校アドバイザー」を務める時乗洋昭・山手学院中学校・高校校長が、これまでの点検調査で見られた事例や課題を報告した。「添削指導と面接指導をいかに一体化していくかが課題だ」などと述べた。
 時乗委員は課題を抱えている通信制高校の事例として、「生徒に単位を修得させ、卒業させることを大きな目標にしている状況がよく見られた」と説明。添削指導や面接指導は規定の回数や時間を満たすことを目指すなど、生徒の学力向上を軽視している実態があるという。
 その上で、「令和の日本型通信制高校」のイメージとして、対面による指導を重視する学校、ICTを活用した教育に取り組む学校の二つを示した。「セーフティーネットの役割など通信制高校の強みを生かしつつ、リアルな学びの場の質向上が重要だ」と強調した。
 この日の会合には、内田康弘・愛知学院大学講師が招かれ、通信制高校の増加と高等学校通信教育規定の改正が与えた影響について研究成果を発表した。「生徒の多様なニーズに加え、学校法人運営の維持や拡大、地域活性化や地域振興の意図が結合し、主に私立通信制高校の設置につながった」と指摘した。

文部科学省

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