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小・中学生の「特異な才能」の育成、大学・高専で

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行財政

政府作業部会中間報告案

 内閣府は7日、政府の総合科学技術・イノベーション会議の作業部会に対し、特異な才能を持つ小・中学生などが高校、高等専門学校、大学などで学び、才能を伸ばせるようにすることなどを掲げた中間報告案を示した。この作業部会は同会議の議員と中央教育審議会の委員らで構成し、「教育・人材育成」について昨年9月から5回にわたって検討してきた。令和5年度政府予算で実現させることを見込んでいる。
 中間報告案のうち、「特異な才能のある子どもの教育環境」に関しては、「個別性の高い教育課程・制度」と「学校外の受け皿」に分けて施策の方向性を示した。
 「個別性の高い教育課程・制度」では、高校卒業前に大学に入学する「飛び入学」について、高校卒業資格が得られない現状を見直し、高校卒業資格が得られるようにすることなどを掲げた。
 飛び入学に伴う高校卒業資格の付与は、政府の教育再生実行会議も6月の第12次提言で制度化を求めている。
 「学校外の受け皿」としては、高専・大学・企業などを挙げ、小・中学生、高校生が特異な才能を伸ばせるようにすることを掲げている。
 高校による小・中学生の受け入れについては、スーパーサイエンスハイスクールに指定された高校や、専門高校の授業を想定している。
 その上で、特異な才能を持つ子どもがそれぞれ在籍している学校で、学校外プログラムに参加できる教育課程の策定などを求めた。
 高専に関しては、小・中学生が「STEAM」と呼ばれる学びの拠点とする構想も掲げた。高専の学生がインストラクターとして小・中学生を支援するとしている。
 女性が理数系分野で学ぶことを促す方針も掲げた。具体策として、「女性が理系を選択しない要因の大規模調査」などを盛り込んでいる。

 政府は近く、中間報告を公表して広く意見を募る。本年度末をめどに最終報告をまとめる予定。その後、来年度の「骨太の方針」に、最終報告で掲げた施策を盛り込み、令和5年度予算概算要求に反映させることを想定している。
 特異な才能がある児童・生徒への対応は文科省も有識者会議を設けて検討している。先月末には、知能指数やテストの得点などでの選抜は行わないとする基本方針をまとめている。

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