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教委・教職員の約9割「第三者機関が必要」 いじめ問題こじれ苦慮

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NPO調査

 いじめ問題に関し、児童・生徒の保護者との関係がこじれた場合、中立の立場で介入し、解決・改善に向けて協力する第三者機関が必要だと考えている教育委員会職員、教職員の割合は87・4%に上ることが分かった。調査したNPO団体代表の森田志歩さんは、自分自身、児童・生徒とその保護者、また、学校や教育委員会などの相談に乗る一方、国などが第三者機関を設けることが必要と訴える。
(3面「ニュースインサイド」に関連記事)

 この調査は、いじめ問題への意識や実態を探ろうと、教育委員会(100教委)と学校(150校)に協力を求め、71教委、109校から協力を得た。それぞれ職員、教職員が個別に回答し、教委からは196件、学校からは290件の回答が集まった。回答総数は486件だった。
 いじめ問題への対応が遅れるケースについて、原因を挙げてもらったところ、42・8%に当たる208件は「保護者との話し合いが難航し、関係がこじれてしまう」を挙げた。以下、「他業務があるため時間が取れない」(144件)、「いじめ防止対策推進法・基本方針等を理解していない」(105件)が続いた。
 保護者との関係がこじれ、解決・改善に至らないケースについて、学校・教委が困ることを選んでもらうと、58・2%に当たる283件は「説明をしても納得していただけない」を挙げた。以下、「一方的に責められ、会話にならない」(169件)、「無謀な要望をされる」(166件)となった。
 「保護者との関係がこじれ、難航した場合、中立の立場で介入し、解決・改善に向け協力してもらえる第三者機関」の必要性を尋ねた設問では、87・4%に当たる425件が「必要」と答えた。「必要ない」は9件にとどまった。
 こじれるケースの具体的な状況を寄せてもらうと、教委からは「子どもの話をうのみにされ、丁寧に説明しても受け入れていただけない」「要望・要求をすべて受け入れなければ話し合いが進まない。どこまで寄り添えばよいのかわからない」といった声が上がった。
 学校からは「最初の相談時点で被害者だと主張され、学校側の説明等は受け入れていただけない」「いじめの行為等、学校は目視していない場合も保護者の主張のみで判断させられる」「他業務もあるため、話し合いに時間をかけられず、理解も得られない」などの訴えがあった。

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