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一冊の絵本が子どもを変える こんなときには、こんな絵本を

18面記事

書評

多賀 一郎 著
選び方や読み聞かせのヒント

 子どもたちにとって絵本の読み聞かせは大好きな時間だろう。大人にとっても読み聞かせは心地よいものだ。絵本には人を引き付けてやまない魅力がある。では、どんな絵本を読み聞かせするといいのだろう。著者は質の高い絵本を子どもたちに示したいという。あまたある絵本から「こんなときには、こんな絵本を」と数多く紹介しているのが本書だ。
 第三章「こんなときには、こんな絵本を」では、「家族を見つめる」「泣いてもいいんだよ」など18のテーマ別に絵本を紹介。子どもたちの心にタイムリーに響く良書だ。本の内容が簡潔なコメントで紹介されているので選ぶときのヒントにもなる。評者が引かれたのは「大人こそ読んでほしい」というテーマ。絵本は子どもだけのものではなく、大人の心の琴線に触れるものがたくさんある。本書を読み、書店に出掛けたくなった。
 読み聞かせを実践する人には第四章の「読み方にちょっとした工夫をしよう」が参考になる。子どもと掛け合いをして読み聞かせるなど、参加型の方法を紹介。
 第五章「絵本歳時記」には、季節ごとに出合わせたい絵本が学年別に紹介されている。
 著者は絵本について「ただ生きていくためだけならば、必要のない文化だとも言える。そこにねうちを見いだすのは一人一人の人間そのもの」という。確かに、絵本が与えてくれる豊かさは計り知れない。
(2090円 黎明書房)
(藤本 鈴香・京都市総合教育センター指導室研修主事)

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