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一刀両断 実践者の視点から【第219回】

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論説・コラム

他人事にしない授業を

 <台湾でM6・8の地震 建物や橋が崩落 各地で被害相次ぐ>(日テレNEWS)という見出しの報道で驚いたのは死者1名と言う報告である。ビルの崩壊などからしてかなりの犠牲者が出たのではないかと思ったが、そうはならなかった。
 この規模の地震が日本で起きたらどうだっただろうか。正確な比較はできないが、何かが違っているように感じられてならない。近しい国であり、価値観も似ているのだから、判断や行動も似ている事が想定できる。
 このような場合に迅速に日本が支援を出来るかが信義の表れとなるだろう。これが親日的な国・地域でなくとも人命優先で相互に助け合える地球市民としての躊躇なき行動の出来る教育を広げ深める事が必要ではないだろうか。
 それをどの教科で教えればよいのだろうか。総合、道徳とするなら今のレベルの授業ではあまりにも心もとない。
 何故なら他人事になっているからである。先日、横田めぐみさんの弟さんの話を直接聴いて痛感した。拉致被害を私たち教師は自分ごととして扱ってはいない。日本国民なら真っ先に学ぶべき内容を位置付けていない不思議さが感じられる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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