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リノベーションで校内の空気質管理を向上

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図書室等には天井埋め込み式加湿器を整備

東京都北区立滝野川第四小学校

 集団生活の場である学校では、冬季を中心に室内の乾燥が進み、感染症リスクが高まる。このため、近年では校舎の老朽化改修に合わせて、換気機能の強化と適切な湿度管理を両立させる空調設備を整備する自治体が増えている。ここでは、東京都北区立滝野川第四小学校の事例を通して、リノベーションによる空気質向上の取り組みを紹介する。

図書室など広い空間に「天井埋め込み式」の加湿器を整備

 北区では2020年3月に「北区立小・中学校長寿命化計画」を策定し、建物の耐久性向上だけでなく、現在の学校に求められる機能・性能を備える大規模改修(リノベーション)を進めている。その最初の実施校となった滝野川第四小学校(2024年11月整備完了)では、教育環境向上の一環として、全校的な湿度管理の高度化に取り組んだ。
 職員室、図工室、図書室、ランチルームには、エアコンなどの空調機と併せ、ウエットマスター社製の「てんまい加湿器」が整備された。本製品は、天井埋め込み式で美観や静穏性に優れるとともに、室内の空気を吸い込み、加湿した高湿空気を直接吹き出す方式のため、空調の運転状況に左右されず安定した加湿が行えるのが特長だ。
 また、床置き型と比べて室内全体に均一に湿度を行き渡らせることができ、職員室などの広い室内にも適している。さらに湿度は自動制御されるため、教職員が都度調整する必要がなく、日常管理の負担軽減にもつながっている。

加湿器のリモコンスイッチ

感染症対策のカギは「換気」と「湿度管理」の両立

 一方、普通教室は天井高の制約から単独型加湿器の設置が難しかったため、加湿機能付きエアコンと全熱交換器を整備した。
 小林保子校長は、「前任校は古い校舎のままで、冬は寒さが増し暖房によって湿度も下がることから、11月に入ると卓上加湿器を各教室に配備して乾燥を防いでいました。一方、本校では改修によって断熱性が高まり、さらに学習スペースや職員室など、それぞれの用途に合わせた空調機や加湿器が整備されています。特別な操作をしなくても換気や湿度が一定に保たれるため、児童はもちろん、教職員にとっても健康管理の面で大きな安心感があります」と語る。
実際に、今シーズンは他校と比較してインフルエンザの流行が抑えられているという成果も見られている。
 学校の教室で感染症を防ぐには、換気と湿度管理のどちらも欠かせない。換気は、空気中に漂うウイルスや二酸化炭素を外へ逃がし、新鮮な空気を取り込むことで感染リスクを下げる役割を担う。一方で、湿度が低い環境ではウイルスが空気中に長くとどまりやすく、喉や鼻の粘膜も乾燥して防御機能が弱まるため、加湿器などを活用して室内の湿度を40~60%に保つことが重要だ。特に今冬の東日本・西日本は乾燥した晴天が続いており、多くの学校で加湿設備の重要性がこれまで以上に高まっている。

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