図書館を経営するということ 教育・文化・産業をつなぐ地域づくり
15面記事
嶋田 学・伊東 直登 著
住民へのアピールの重要性訴え
「図書館を経営する」という題名から、本書は図書館長を対象とした解説書だろうと思われるかもしれないが、行政職や図書館司書といった公立図書館に関わる実務者はもちろん、図書館に興味を持つ全ての人に手に取ってもらいたい書である。
第1章で、図書館行政に係る基本的な法制度などの情報、第2章以降は、図書館のサービス、施設管理、住民参加の図書館づくりなどについて、多様なデータや著者らの実践を踏まえた具体的な事例が記され、納得感を持って読み進めることができる。最後まで読むと、副題にある「教育・文化・産業をつなぐ地域づくり」の意味が判明する。目指すところは、「住民ファーストの、明るく成長感あふれる、職員が一丸となった図書館」であるとする。
現状、全国の書店数はこの20年で半数近くにまで減少している。だからこそ図書館は「知の地域づくり」に貢献する必要がある。著者らは、地域住民に図書館に対する期待を持ってもらうためのアピールをすべきだと主張する。「図書館は単に本を読む建物」ではなく、例えば「人が出会い、資料を通して学び合う場所」「都会的なカフェを備えたにぎわいを創出する場所」など、行政と住民が地域づくりの一環としてもっと議論していく必要性を本書は説いている。
(3300円 青弓社)
(重森 栄理・広島県教育委員会乳幼児教育・生涯学習担当部長(兼)参与)

