援助要請の心理学に基づく 実践SOSの出し方教育
25面記事
水野 治久・本田 真大・永井 智 編著 木村 真人・飯田 敏晴・四辻 伸吾 著
受け止め方も事例基に解説
学校で困ったことがあったときに誰に相談するか、仲間を助けるためにはどんなスキルが必要か、ネットいじめに気付いたときにどうすればいいのか、自分が悩んだときに相談しやすい方法はあるのか、大学内でのサポート資源と活用法は―児童・生徒から学生までを対象にして、「SOSの出し方教育」の実践事例を掲載しているのが、第Ⅰ部の「子ども・若者へのSOSの出し方教育の実践」である。
相談することの難しさも認識した上で、「『いざというときに相談してください』というのではなく、日頃から、『相談しながら自分の課題と向き合う』生き方をめざすことを子どもに提案する」ことが「SOSの出し方教育」であるという。
第Ⅱ部ではSOSの出し方だけでなく、「SOSの受け止め方」を重視して、スクールカウンセラー、教師などが実践例を通じて「受け止め方」を学べるようになっている。
悩みがあるはずなのに「大丈夫です」と笑顔で答える女子中学生、心配事について聞いても「いや、ないです」としか答えない男子高校生の「言葉で明確には援助要請していない」ケースなども取り上げ、どう受け止めればいいのかを解説している。
さまざまな専門職が関わるようになった学校で、“顔の見える専門職”として子どもたちとの信頼関係を醸成し、相談へのハードルがさらに低くなることを願う。
(2640円 金子書房)
(矢)
