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世界をひらく協働探究 幼・小・中の「育ち」と「学び」をつなぐ福井大附属の挑戦

12面記事

書評

牧田 秀昭・秋田 喜代美 編著
「実践と理論の往還」理念に研究

 福井大学附属幼稚園・義務教育学校では、幼稚園でのさまざまな遊びを通して子どもたちの「好き」が広がっていく学びの芽吹きを大切にし、義務教育学校では、その学びの芽吹きが「協働探究」の中でつながり合い、高め合うことを全教員で共有している。
 本書では「探究」「コミュニケーション」「コラボレーション」を大切にしてきた福井大学附属幼稚園・義務教育学校で未来社会を創っていくための資質・能力が12年間を通してどのように育まれていくのかについて、子どもたちの学びのストーリーを軸に教師の悩みや葛藤を含めて明らかにしている。
 内容は4部構成で、各部とも最初に実践のストーリーを示した後、研究に伴走している教育学の研究者がそれぞれの視点から実践の理論的背景を解説している。実践し、それを省察して理論化することで次の実践につなげていくという「実践と理論の往還」が福井大学附属幼稚園・義務教育学校の省察的実践の理念であり、本書も同様の構成としている。
 「協働探究」は教員が思い描く通りに進んでいくわけでもなく、右肩上がりに目に見える成果を上げていくものでもない。時には停滞し、迷い、戻ることもあり、時には飛躍的に発展する場合もある。各部の実践のストーリーには、こうしたことがありのままに描かれている。探究を通して「学び」をつなぎ「文化」を創造することを可能にする専門性を学ぶことができる一冊だ。
(2750円 北大路書房)
(秀)

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