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冬期の乾燥対策に、加湿器を全教室に整備

11面記事

施設特集

地域の核として期待される「なでしこ小学校」
東京・北区立なでしこ小学校「てんまい加湿器」導入事例
適切な湿度の維持に加湿器を


大田 裕子 校長

 なでしこ小学校は、平成30年4月に東京都北区初の学校複合施設として開校。「学校・家庭・地域が連携することで、互いに見守り、見守られる、地域のよりどころとなる『みんなの家』を創ることを目指しています」と大田裕子校長が語るように、地域振興室、ふれあい館、学童クラブ等の公共施設を学校の敷地内に設置することで、コミュニティや防災拠点としての機能を高めている。
 こうしたなか、多様な教育活動に応える施設設備やICT機器などとともに、快適な学習環境を確保するためにエアコンと併せて各教室に設置されているのが、ウエットマスター(株)の天埋カセット型「てんまい加湿器」だ。
 気密性の高い現代の建物は、放っておくと低湿度になりがち。特に冬期は暖房でさらに乾燥が進むため、加湿によって適切な室内湿度を維持することが求められている。なかでも学校への導入が進むエアコンは、熱交換器に付着した水分を積極的に屋外に排出するため、最も乾燥しやすい。したがって、近年新設する学校では最初からエアコンと同時に加湿器も整備するケースが増えている。

集団生活の感染症対策として重要

 このような教室の湿度管理を重視する理由は、乾燥によってインフルエンザ等の感染症リスクが高まるといった、子どもたちの健康に及ぼす影響が危惧されているからだ。
 大田校長も養護教諭だった経験から、教室の乾燥対策の必要性は常々訴えてきたと語り、以前はベルマークで購入した家庭用の加湿器を教室で使ったこともあったという。しかし、「教室全体をムラなく加湿するには機能・能力的に無理があり、毎回の水の補充や水垢をとるための定期的な掃除も必要なため、意外と手間がかかるのが難点でした」と振り返る。
 それだけに、今回の加湿器の整備には期待も大きく、「手洗いやうがいなどの徹底とともに、加湿器によって教室内の適切な湿度管理を図り、インフルエンザなどの流行期に備えていきたいと思います」と意欲的だ。

一括制御やその場での湿度設定も可能


1-3 天井埋め込み式の「てんまい加湿器」とリモコンスイッチ

 そんな「てんまい加湿器」は、室内の空気を吸い込み、加湿した高湿空気を室内に吹き出すことで、空調方式や空調機の運転に左右されずに確実な加湿が行えるのが特長。
 しかも、強運転でも運転音は40dBと静音性に優れるほか、自動給水により日々の水タンクへの補給は不要とメンテナンス性にも長けており、学校での利用に適している。
 また、天井埋め込み式のため美観性に優れているのも魅力の1つ。大田校長も「教室にいても全く違和感はないので、子どもたちは加湿器があることも知らないのでは」と評価する。実際の運用については職員室から一括制御もできるが、その場で湿度設定の切り替えができるため、教員が状況を見て使用していく予定だという。
 これから、いよいよ加湿器の真価が問われる季節を迎える。子どもたちに健康で快適な学習環境を提供するためにも、ぜひ積極的な活用を期待したい。

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