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働き方改革時代の校長・副校長のためのスクールマネジメントブック

6面記事

書評

玉置 崇 著
経営のブラッシュアップ策を提言

 本書の初出は日本教育新聞の連載「校長塾 経営力を高める最重要ポイント」「ミドルリーダーの作法」など。著者の登場回は読者の反応がすこぶる良く、終わった時には、「もっと続けてほしい」というリクエストが複数回寄せられた。これに現在の働き方改革の視点を盛り込み、新しい時代の管理職の在り方を提案している。
 働き方改革については、遅くまで残る=熱心さの表れといった「働き方感覚」や、効果が明確でないのに重要だと認識している「思い込み業務」を見直す、「意味があるのかな」と感じたらやめてみる、といった内容を提言。
 校長の姿勢については、職場に明るい空気をつくるのは校長の役目(万事機嫌よくを心がける)、一人職を孤立させない、苦手な相手にこそ自ら飛び込む―ことを提案した。
 他にも、副校長・教頭の働き方の心得、ミドルリーダーとのかかわり方・育て方、保護者、地域とのかかわり方・つながり方、アクティブラーナーを育てるためのスクールマネジメントといったテーマが続く。最後は次世代管理職に向けた内容で、「選考に合格できない4タイプ」や力量を高めるための日々の行動も参考になる。
 多くの地域では、教職員の大量退職による大量採用により、先輩たちが培ってきたさまざまな技術が次の世代に引き継がれにくくなっている。管理職についても同様の問題があり、全体の質の低下を指摘する人もいる。
 本書の多様な提言は、先輩からの教えを十分に引き継げなかった新任管理職に役立つだけでなく、ベテラン層が日々の経営をブラッシュアップする際にも支えになることだろう。
 発行は明治図書で定価は1900円(税別)。

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