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シンプルな方法で学校は変わる

19面記事

書評

自分たちに合ったやり方を見つけて学校に変化を起こそう
効果10倍の<学び>の技法 増補改訂版
吉田 新一郎・岩瀬 直樹  著
実践例踏まえ「内からの改革」訴え

 本書を手にして、「シンプルな方法で、といってもそう簡単には…、シンプルとはいうものの、結構難しいのかも」と半信半疑で読み進めた。しかし、読後は、学校は変えられるかもしれないと思えた。確かに「シンプルな」方法だったのである。実践に移すのが容易なのである。看板に偽りなしだ。
 著者は、本書の執筆に当たって「内からの改革」を訴える。学校を巡る状況は決して良い環境にあるとはいえない今だからこそ、本書の「シンプルな」提言は重要だ。
 評者が感じた実践化しやすい理由を列挙しよう。
 (1)実践例の裏付けがあり、信頼性が高い。これは○○小の事例、これは△△先生の実践例というように提示され机上の空論ではない。安心して使えよう。(2)随所に図表(特に比較表)が載せられ、行動意図が理解しやすい。納得して進められる。(3)重要なポイントはゴシック体で、しかも箇条書きで示される。読み手の理解を助ける。(4)さりげなく根拠となる学説が紹介され、指導のねらいや意図が明確になっている。
 本書は実践編としての6章、理論編としての3章で構成されているが、日々の授業の変容を図るなら3~4章をまず読んでほしい。やってみたいと思うはずだ。(耳の痛いところはあるが)経営者である校長が読めば職員からの評価が変わるはずだ。
(2376円 みくに出版)
(八木 雅之・元公立小学校校長)

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